毎月の支出を見直したいけれど、何から手をつければいいのかわからないという方は多いのではないでしょうか。
収入を増やすために副業を始めたり、残業を増やしたりすることを考える方もいらっしゃいますが、実はもっと確実で即効性のある方法があります。
それは、企業が利益を出すために実践している「固定費削減」の手法を、個人の家計に応用することです。
この記事では、企業のコスト削減ノウハウを個人向けにアレンジした3つの秘策をご紹介します。
読み終わる頃には、収入を増やさなくても手元に残るお金を確実に増やせる具体的な方法がわかるようになります。
固定費削減は収入アップより確実に利益を残せる方法

結論から申し上げますと、固定費を削減することは、収入を増やすよりも速く、確実に手元に残るお金を増やせる方法です。
企業の経営において、固定費削減は売上アップよりも優先して取り組むべき施策とされています。
この考え方は個人の家計にもそのまま当てはまります。
例えば、月に3万円の固定費を削減できれば、年間で36万円のお金が手元に残ることになります。
これを収入で得ようとした場合、時給2,000円の副業であれば180時間、つまり毎月15時間もの労働が必要になる計算です。
固定費削減は一度実行すれば、その後は何もしなくても毎月自動的にお金が残り続けるという点で、非常に効率的な方法といえます。
なぜ企業の固定費削減手法が個人にも有効なのか

固定費の定義は企業も個人も同じ
固定費とは、売上や収入の増減に関係なく、毎月必ず発生するコストのことを指します。
企業における固定費の代表例は以下のとおりです。
- オフィスの賃料
- 人件費
- 通信費
- 各種サブスクリプションサービス
- 光熱費の基本料金
- 保険料
一方、個人における固定費としては以下のものが挙げられます。
- 家賃または住宅ローン
- 通信費(スマートフォン、インターネット回線)
- 各種サブスクリプションサービス
- 光熱費の基本料金
- 保険料
- 自動車関連費(駐車場代、保険、ローン)
このように、企業と個人の固定費には多くの共通点があることがわかります。
したがって、企業が実践している固定費削減の考え方やノウハウは、個人の家計にも十分応用できるのです。
企業が固定費削減を重視する理由
企業の経営において、固定費削減が重視される理由は明確です。
利益は「収入から支出を引いたもの」ですが、収入を増やすことは市場環境や競合の動向など、自社でコントロールできない要素に左右されます。
一方、固定費の削減は自社の判断だけで実行でき、削減した分は確実に利益として残ります。
企業向けの経営情報サイトなどでは、「月5万円の固定費削減は、利益率10%の企業にとって年商600万円増加と同等の効果がある」といった説明がなされています。
この考え方を個人に置き換えると、固定費を月5万円削減できれば、年間60万円の昇給と同じ効果が得られることになります。
しかも、昇給には所得税や社会保険料がかかりますが、固定費削減で浮いたお金には税金がかかりません。
企業の手法を応用した個人向け固定費削減の3つの秘策

秘策その1:通信費とサブスクの企業式棚卸し
企業では、通信費やSaaS(クラウドサービス)の見直しが固定費削減の定番施策となっています。
この手法を個人向けにアレンジしてみましょう。
企業が行っている施策
企業では以下のような取り組みが行われているとされています。
- 法人携帯を大手キャリアから格安SIMへ乗り換え
- 固定電話をクラウドPBXに移行
- インターネット回線の統合やプランの見直し
- 利用しているSaaSやクラウドサービスを一覧化し、利用頻度をチェック
- 使っていないサービスや機能が重複しているサービスを解約
個人向けの具体的なアクション
スマートフォンの見直しとして、大手キャリアから格安SIMへの乗り換えを検討してみてください。
月額8,000円程度のプランから月額2,000円程度のプランに変更できれば、年間で約7万円の削減になる可能性があります。
自宅のインターネット回線についても、現在の利用状況に見合ったプランかどうかを確認することをお勧めします。
テレワークでの利用がなくなった方などは、モバイル回線のみで十分なケースもあります。
サブスクリプションサービスの棚卸しは、特に効果が大きい施策です。
企業のSaaS管理と同様に、以下の手順で見直しを行ってみてください。
- 契約しているすべてのサブスクをリスト化する
- 1〜2カ月間、各サービスの利用頻度を記録する
- 使っていないもの、機能が重複しているものを特定する
- 不要なサービスを解約、または類似サービスを一本化する
- 継続するサービスは年払い割引やファミリープランを検討する
動画配信サービス、音楽配信サービス、オンラインストレージ、オンラインサロン、電子書籍の読み放題など、一つひとつは月額1,000円〜2,000円程度でも、複数契約していると月に1万円を超えることも珍しくありません。
年間にすると12万円以上のコストになりますので、見直しの効果は大きいといえます。
秘策その2:住居費を企業のオフィス戦略で考える
企業にとってオフィス賃料は最大の固定費の一つです。
同様に、個人にとって住居費は家計における最大の固定費であることが多いです。
企業が行っているオフィス戦略
近年、多くの企業がオフィスコストの最適化に取り組んでいるとされています。
- 都心の大きなオフィスを縮小し、郊外へ移転
- フリーアドレス制の導入で必要なスペースを削減
- シェアオフィスやコワーキングスペースの活用
- テレワークの導入により固定的なオフィス需要を減少
- 本社は郊外に置き、必要に応じて都心のサテライトオフィスを利用
個人向けの具体的なアクション
住居費の見直しは、企業のオフィス戦略と同じ発想で考えることができます。
立地の見直しとして、在宅勤務が増えた方は、通勤の便利さを優先した都心の物件から、家賃の安い郊外の物件への引っ越しを検討してみてはいかがでしょうか。
月に2〜3万円の家賃削減ができれば、年間で24〜36万円のコスト削減になります。
広さの最適化も重要です。
生活スタイルの変化により、今の住居が広すぎるという場合は、適切なサイズの物件へのダウンサイズを検討する価値があります。
企業のサテライトオフィス戦略を個人に応用するという考え方もあります。
自宅は郊外の家賃が安い物件にして、都心での作業が必要なときだけコワーキングスペースを利用するという方法です。
月に数回程度の利用であれば、都心に住むよりも総コストを抑えられる可能性があります。
秘策その3:保険と自動車関連費の見直し
企業では定期的に各種保険や車両関連費の見直しを行っています。
個人においても、これらは見直し効果の大きい固定費です。
保険の見直し
生命保険や医療保険は、契約時の状況と現在の状況が変わっていることも多いものです。
以下の観点で見直しを検討してみてください。
- 保障内容が現在のライフステージに合っているか
- 公的保障(健康保険、年金など)でカバーできる部分はないか
- 複数の保険で保障が重複していないか
- 同等の保障でより安い保険商品はないか
見直しによって月に1万円以上の削減ができるケースも少なくないとされています。
独立系のファイナンシャルプランナーに相談することで、客観的なアドバイスを得られる場合もあります。
自動車関連費の見直し
自動車を所有している場合、駐車場代、自動車保険、車検費用、ガソリン代、ローンなど、多くの固定費が発生します。
以下の点を検討してみてください。
- 自動車保険の等級や補償内容の見直し
- 駐車場の月額料金の比較検討
- そもそも車が本当に必要かどうかの再検討
- カーシェアリングやレンタカーへの切り替え
都市部にお住まいで車の利用頻度が低い方は、思い切って車を手放すことで月に数万円の固定費削減につながる可能性があります。
必要なときだけカーシェアリングを利用するほうが、トータルコストが安くなるケースも多いとされています。
固定費削減を成功させるためのポイント
まずは現状を把握することから始める
企業が経費削減を行う際、まず行うのは現状の支出の把握です。
個人でも同様に、毎月の固定費がいくらかかっているのかを一覧表にまとめることから始めましょう。
クレジットカードの明細や銀行口座の引き落とし履歴を確認すると、忘れていたサブスクリプションが見つかることもあります。
削減効果の大きい項目から着手する
すべての固定費を同時に見直そうとすると、途中で挫折してしまう可能性があります。
企業のコスト削減プロジェクトでも、効果の大きい項目から優先的に取り組むのが基本です。
一般的に、住居費、保険、通信費、サブスクリプションの順で削減効果が大きいとされています。
ただし、住居費の見直しには引っ越し費用などの初期投資が必要になるため、まずは通信費やサブスクリプションの見直しから始めるのも一つの方法です。
定期的な見直しを習慣化する
企業では定期的にコストの見直しを行っています。
個人も同様に、年に1回程度は固定費の見直しを行う習慣をつけることをお勧めします。
ライフスタイルの変化や、新しいサービスの登場によって、より良い選択肢が生まれている可能性があります。
まとめ:企業の固定費削減手法を個人で実践する3つの秘策
この記事では、企業が実践している固定費削減の手法を個人向けにアレンジした3つの秘策をご紹介しました。
- 通信費とサブスクの企業式棚卸し:格安SIMへの乗り換え、サブスクリプションの一覧化と利用頻度チェックによる整理
- 住居費を企業のオフィス戦略で考える:立地や広さの見直し、コワーキングスペースの活用
- 保険と自動車関連費の見直し:現在のライフステージに合った保障内容への変更、車の所有の必要性の再検討
固定費削減は、一度実行すれば継続的に効果が続く点で、収入を増やすよりも確実な方法です。
月に3万円の削減ができれば、年間36万円のお金が新たに手元に残ることになります。
まずは現在の固定費を一覧表にまとめることから始めてみてください。
思っていたよりも多くの固定費を払っていることに気づくかもしれません。
そして、この記事でご紹介した3つの秘策の中から、取り組みやすいものを一つ選んで実行してみてください。
大切なのは、完璧を目指すことではなく、まず一歩を踏み出すことです。
小さな見直しの積み重ねが、将来の大きな資産形成につながっていきます。
今日できることから、少しずつ始めてみてはいかがでしょうか。